鮫日記

男もすなる日記といふものを、スピッツオタクもしてみむとてするなり。

1日目:初めましてスピッツ―『空も飛べるはず』

 こんにちは。初めまして、さめをと申します。

 日本のロックバンドの「スピッツ」が好きな普通の女子高生の私が、徒然なるままに時々絵も挟みながら駄文を自分のペースで連ねていこうと思います。

 

(※過去絵の中でも割りとお気に入りの草野さんです。)

 

 

 他人の自己語り、妄想、考察、、、あたりが苦手な方はここでブラウザバックをオススメします。

 

 

 今回は、初めての投稿ということで私とスピッツとの出会いとかそのあたりを…

 

 

 私がスピッツと出会ったのは、忘れもしない2017年、小6。

 小学校の謎文化「今月のうた」に選ばれた―――空も飛べるはず

 ヤバい、思い出しただけで泣きそう。叶うことならあの時の衝撃、もう一度喰らいたい。戻れるのならば戻ってみたい、あの頃。何も知らなかったあの状態でもう一度聴きたい曲がそれはそれは沢山ありますね。

 皆さんが何も知らない状態で聴きたいなって思う曲ってなんですか?私は、最推しアルバムの『とげまる』を何も知らない状態で聴きたいですね。

 「今月のうた」とは何ぞやという人(大半がそうだよ)のために説明するとですね、毎月の全校集会の時に全校生徒で合唱をするという文化があったんですけど、その曲です。名前の通り、月替りです。

 

 当時というか、今もなんですけど、私、本の虫ちゃんでして…いや、今は「本の虫」は名乗れないかも。今は…読書好きというより、文学好き、かな。う〜ん、、、最近は本を読むことっていうよりも、好きになった本の論文漁ってますね。色んな解釈に触れたくて。GoogleScoLar様様です。まぁまぁ、これは置いといて、とにかく、今の読書量よりも、比にならんくらい本に浸っておりまして。年間400冊は読んでましたね〜〜すご〜い(他人事)

 それはそうとて、小学二年生の時に唐突に古典文学に激ハマりしまして…、意外と読んでみると面白いんですよね。小学二年生の女の子が学校図書館の古典漁ってる図……中々シュールでは……笑 好きな古典作品は宇治拾遺物語です。説話が基本的に好きですね。

 話が若干逸れたんですけども、結局、何が言いたいかって言うと、私は、古典だろうが現代の小説だろうが、日本語が好きなんです。日本語って素晴らしい言語です。私、日本人で本当に良かったなぁって思います。

 

 言語で優劣つけるとかじゃないんですけど、英語とかけっこう直接的じゃないですか。文法というか、語順も型として決まっちゃっているというか。日本語って英語に比べたらもう、それはそれは自由だし、間接的ですよね。…私は、その間接的な部分が好きなんです。それが嫌いって言う人もいらっしゃいますが。まぁ、あの、だから、歌詞でも文学でも詩でもなんでも、その"間接的なところ"にときめいちゃうんですよねぇ。「美しさ」一つとってもその表現の幅広さ、「汚さ」、逆も然り。

 …まぁ、言っちゃえば、私的にはね、日本語の魅力(=間接的なところ)を出せてない日本語の文章は好きになれないって訳ですよ。あんまりにも直接的だったりすると、せっかく日本語なのに〜〜〜って、…そんな感じ、です笑

 もちろん直接的な部分も大事になりますよ。ずっとぼやかして言ってても「結局こいつ何が言いたいんだ?」ってなるので。私ももちろん、流石にね、全部ぼかされてる文章はじれったいので…こう、ハイライト的に使って欲しいんですよね、直接的なのは。

 

 前置きが長くなりすみません。

 まぁ、そんなね、"間接的な"日本語LOVERが、「スピッツ」という多大なる存在に出会ってしまった訳ですよ。ハマらないわけないですよね?分かってくれますよね?…ね(圧)。

 『空も飛べるはず』の歌詞書かれた紙が配られるじゃないですか、心臓止まってたんじゃないかなぁ…こんな素敵な言葉遣い出来る人がいるんだ!って。音源聴くじゃないですか、心臓バックバクだったんじゃないかなぁ…なんて素敵な声なんだ!って。

 当時ね、『空も飛べるはず』がその時から20年以上前の、自分が産まれる10年以上前の曲だったことにすごく驚きました。全然古さを感じないんだもの!だって、ねぇ…90年代なんて言ったらさ、KANの『愛は勝つ』とか、米米CLUBの『君がいるだけで』とか、広末涼子の『MajiでKoiする5秒前』とか……現役女子高生からするとこの辺りは時代というか、"古さ"みたいなものを感じてしまうんですけど、大人の皆様だとそんなことはなかったりしますか…?

 

 題名の通り、今回語らせて貰うのは『空も飛べるはずです。5thアルバム『空の飛び方』に収録されています。

じゃ〜〜ん!中古!状態めちゃくちゃ良いのになんと680円!びっくり!

(※反射での顔バレが怖いので歌詞カードのみで笑)

黄と青のコントラストが良いですね〜!黄×青の組み合わせが一番好きです。

 

 

 あ、先に説明しておきます。これは、私の持論にしかすぎませんし、基本的にはここは歌詞考察ではありません。日本語オタク的にここ好き!みたいな感じのノリです。当方、多趣味を極めているため教授かよってくらい話も色々脱線すると思います。歌詞の中のその単語が与える印象だったり色々言いたい放題言っていきます!まぁ、そういうくだらない話を読みたいという方に読んで頂けたらな、と!

 

 まずね、スピッツって日本の音楽史にえげつない影響を与えたと思うんですよ、絶対。ここだけは譲らん!!(誰)

 

 スピッツの登場ちょっと前、70年代あたりの歌詞って結構…直接的じゃないですか。恋愛ソングにしても「君が好きだ!」みたいな。「好き」は「好き」と歌うし、「悲しい」は「悲しい」と歌う。とってもダイレクト。まぁ、70年代のその当時としては、そこが良い!って言う訳なんですけどもね。スピッツがその波を変えたなって思うんですよ、私は。…私は。

 あの〜これは、批判とかじゃないんです…ほんとに。心優しく聞いて下さい。そう、これにはこれの良さがあるし、当時の世間だってそれを認めてる。それが当時の流行り。あくまでも比較の材料として中島みゆきさんの『時代』の出だしを…↓

今はこんなに悲しくて 涙も枯れ果てて

もう二度と笑顔にはなれそうもないけど

…そう、だいぶ直接的ですよね。これがその当時の流行りでしたから。「悲しみ」をそのまま「悲しくて」と歌う。「涙」も「涙」と表現する。THEそのままな感じ、ストレートで力強さを感じます。そうです、直接的な歌詞は、そのままドーン!と力強く伝わるんですよね。だから、力強い歌声の中島みゆきさんにはやっぱりこういう直接的な方が似合うのかなぁと思います。

 

 これが、草野マサムネが綴ったらどうなるんだろうかね。いつか マサムネ〜〜〜〜!!!!!!(呼んだところで来ないよ)

 では、こちらに、さめを's 脳内マサムネを召喚致しまして、私が勝手に妄想で綴ります(なぜ)

「美しかったはずの草原を砂漠にして ラクダの君を呼んだから どこだってオアシスだった 僕をもう一度だけ満たしてほしい」

…みたいな感じになるんですかね。

あ、待っ……ちょっと…これ、あれだ、明日辺りには恥ずかしくなってるやつだ、これ、忘れてください笑

 

 

 本論行きます!!(遅)

 

 『空も飛べるはず』は1994年4月25日リリースの通算8作目のシングルで、世間的に「スピッツ」と言えば、

・『ロビンソン』

・『チェリー』

・『空も飛べるはず

のこの三本指…ですから……有名ですね。最近、『美しい鰭』がここにスッと入り込んできて、歴史変わってるじゃ〜〜〜んって瞬間に立ち会えて、もうね、それは感動ですよ。たかが、ブリーダー歴?犬養歴?スピッチ歴?まぁ、何でもいいや、スピッツ好きになってまだまだ6年の新参者なんですけども。どうぞよろしくお願いします。新参者でも感動なのに、これがさ、インディーズ時代からとかデビュー当時からとか好きだった方とか、もう、何だろう…我が子の成長みたいなの見てるようなもんじゃん…ね……おめでとうございます…ご祝儀なくてすみません(??)

(※当日におめでとうございますの気持ちを込めて描きました、10分未満で(=とんでもねぇ落書き))

 

 今後もしつこいほど言うかもしれないんですけど、私が好きな修辞法(レトリック)は、暗喩撞着語法です。あと、擬人法も好きですね。この3つの修辞法は、日本語が一番輝く瞬間だと思っています。(※めちゃくちゃな持論)

 

 よいしょ、では早速!私が『空も飛べるはず』の中で最も好きなところですね。ここです。これが語りたくて書いたのはある。

切り札にしてた見えすいた嘘は

満月の夜にやぶいた

 そう、ここのね、すごいところというか、私が小6ながらに、草野正宗という詩人の語彙力と言葉の織り合わせに感動したポイントなんですけども。「切り"札"」から、"紙"を連想し、「やぶいた」という表現です。この曲だけに言えることじゃないんですけど、草野さんが作るこの連想ゲームが私はとても好きです。「破る」って元の状態には戻らないじゃないですか、もう。だから、こう〜…強い決心!みたいな印象受けますよね(突然の語彙力の消失)。

 そして、ここで「満月」という言葉を用いることで、狼男のような、そう、「変身」の印象を与えられますね。主人公「僕」は、ここから決心して変わったってことなんじゃないかなぁって思います。

 それか、「満月」ってここからはもう、小さくなって、新月に向かって、消えてくしかないから…破滅の道、みたいな意味でもそれはそれで良いですね。心中目的の『君』と『僕』との逃避行、みたいな意味でもすごく良いなぁって思います。「隠したナイフ」ですし、『空も飛べるはず』ですし、確かにそれっぽい言葉とかそれっぽい要素は散りばめられてはいるんですよねぇ…小学生の頃は流石に思い浮かばなかったけど。

 どこかで本人が言ってるのがあったりしたら、これを読んでいる心優しきスピッチさん、良かったら教えてください。私、現役高校生とは思えないほど情弱でして…しかも、『空も飛べるはず』って私が産まれる11年も前の話ですしゴニョゴニョ(言い訳)

 

続いてこちら、

ゴミできらめく世界が

僕たちを拒んでも

ずっとそばで笑っていてほしい

 はい、撞着語法〜〜〜〜!!!!ゴミできらめく!!!ゴミできらめく!!!(うるさい)

 最高ですね!好(ハオ)!!!

 それに、世界が拒む、擬人法もありますね!!!

 …私的に、ここの一節はすごく可愛らしい印象を受けます。

 あの〜…梶井基次郎の『桜の樹の下には』でもそうなんですけど、私、汚い中にある美しさっていうのがめちゃくちゃ好きで。まぁ、この『桜の樹の下には』は今まで読んだ本の中でそういう意味では、一番好きですね。蠢く気色悪さの中で輝く圧倒的な美!悍ましく美しい…っていう、最高!艶かしいぜ!!薄羽かげろうの屍体の場面が私は個人的に好きでですね…「生」と「死」、「醜」と「美」は両極じゃなくて、「生」があるから「死」があって、「醜」があるから「美」がある…みたいなね。結構短い話で、著作権切れてて青空文庫で無料で読めるので良かったら読んでみて下さい。(布教)↓

https://www.aozora.gr.jp/cards/000074/files/427_19793.html

 

 「ゴミできらめく」に、『桜の樹の下には』の文章ほどの気色悪さを感じるほどでもないのはやっぱり簡単な日本語であるからだと思います。『桜の樹の下には』は、屍体ですからね笑。この、『空も飛べるはず』の世界に、「スピッツ」の世界に、そういう臭いがあるほどの汚さは要らないんですよ。薄汚れたガラクタがデタラメに転がっている、みたいな、そんな感じで…いや、そんな感じが良いんです。「きらめく」が入ることで、大型の金属の塊のようなものがゴロゴロ…ビル?都会かな、この社会そのものかな、まぁ、取り敢えず「僕たち」には価値がないんですかね。やっぱりそう考えると、さっき書いたように心中目的の逃避行…割とあるのかも、しれない。

 草野マサムネ語って、単語単語で切ってみると、すご〜く易しい日本語を使ってくれているんですよね。難しくないから、私にだってその光景が浮かぶし、語りすぎないから自由な発想を飛ばせるし、なんたって分かりやすい。聴き手が自由に発想出来るのは良いですよね!なかなか無いです。具体的すぎず、抽象的すぎず、すごく丁度良い、自分に寄り添ってるようなピッタリのものが絶対にあるんですよね。

 なので、二次創作カップリングのイメソンを血眼で探してるオタクどもに言いたいんですけど、スピッツの楽曲一回、時間なかったらさ、歌詞だけでも良いからさ、見てみ?それで気になるのあったらさ、聴いてみ?マジでぴったりなやつ絶対あるから。…俺が保証してやるからよ(※バチクソなイケヴォ)

 そんなね、分かりやすくてさ、とても易しい日本語だけど、その組み合わせが私たちには出来ないから素晴らしい歌詞になるんでしょうね。本当の天才は、アホにも分かるように書けるって本当なんだなぁと。天才同士でしか通じない文は、天才の文ではないんですよね。凡人にも通じるっていうのが一番すごいなと思います、つくづく。

 

最後にここだけでも!

夢を濡らした涙が海原へ流れたら

ずっとそばで笑っていてほしい

 巡ってますね〜水ですね〜草野マサムネの水の描き方は世界一だと思います。水がテーマとなったとき、もう最強でしかなくなるんですよね。『渚』もそう。『魚』もそう。『漣』もそう。『潮騒ちゃん』もそう。挙げてくとキリがないな。取り敢えずね、最強コンビネーションなんですよ、草野マサムネ×水っていうのは…

 そして、輪廻。還る場所はいつだって誰だって、母なる海。水、氵(さんずい)のオンパレードで言葉を紡いで、世界が繋がって、繋がって、広がっていきます。ただ、意味を伝えるだけなら「海原」なんて入れなくたって良い、十分に通じる。むしろ入れない方が「泣いたんだな」ってすんなり行くのでは…?とも思う。でも、この「海原」を入れることで世界が一気に広がるのもそうですが、私が思うには、これ、「時間」への意識…だと思うんですよね。山で降った雨が、様々な生き物を通じて様々な場所へ、川へ、湖へ、植物へ、体内へ、地面へ、また蒸発して雲になるかもしれない、そして、その最後の何にでもなれる場所、海に辿り着くまでにどれだけの時間を要すか、です。

 

 

 …どうでしょうか?ただ日本語が好きなだけの人が、草野さんの歌詞の「ここが大好きポイント」を語っているだけなんですけども楽しんで頂けましたか?私は書いてて楽しいんですけども笑

 

 

 私は、草野さんの作る詩に出会ってからもっと、もっと、日本語が大好きになりました。

 

 

 少しつまみ食いするイメージで、これからも草野マサムネさんの詞を自分なりに楽しく綴っていけたらなぁと思います!思い浮かんだことのメモ程度の気楽さで!メモの割に長文なんですけども!笑

 

 次回は、『空も飛べるはず』で衝撃を受けた私が家に帰った後、聴いて入沼を決心した曲にしようかなって思っています。こちらも有名です、また見て頂けたら嬉しいです。

 

 ダラダラした駄文を最後まで読んで頂きありがとうございました!

 

 

 それではまたどこかで巡り会えたら。  さめを